相続手続きは自分でできる?自分でできるケースと専門家に依頼するケース
こんにちは。
江東区・相続申告コンシェルジュ
大倉公認会計士税理士事務所の大倉です。
相続手続きは専門家に頼むのではなく、まずは自分でできるかどうか検討している人も多いでしょう。
しかし、相続手続きは自分でやってみたものの、挫折してしまうケースも少なくありません。
今回は、相続手続きが自分でできるかどうかについて、判断基準となる目安を解説していきます。
相続手続きを自分でしても良いケース
相続手続きは、相続人数や内容によって複雑さも大きく変わります。
比較的簡単で、自分でもできる相続手続きとしては以下のケース。
- 相続人数が少ない
- 遺産が預貯金のみ
これらのケースであれば複雑な手続きにはならないため、時間に余裕があれば自分でもできます。
自分でできるかどうかのひとつの判断目安として知っておきましょう。
相続人数が少ない
たとえば、相続人が配偶者と子どもだけであったり、自分一人だけであったりする場合は、遺産分割についても話し合う必要もなく、スムーズに手続きを進められます。
相続人が複数いる場合だと、全員分の戸籍謄本を取り寄せるなど必要書類の準備だけで多くの手間と時間を要します。
複数人いる状況で遺言がない場合は遺産分割協議を行ったうえで、全員の合意が必要になるため、なかなかスムーズに手続きを進められません。
そのため、相続人数が少なければその分の手間もかからないため、相続手続きは自分でも比較的簡単に進められるでしょう。
遺産が預貯金のみ
基本的に、相続税の財産評価は「時価」となります。
相続対象が預貯金のみであれば、額面通りになるため、複雑な計算なども必要ありません。
しかし、土地や建物の場合の評価は複雑であり、専門家ほどの知識が必要とされます。
場合によっては相続登記などの手続きなども絡んでさらに複雑となり、そうなれば自分で行うことは難しくなるしょう。
そのため、時価評価である預貯金のみの相続であれば、簡単な計算で算出できるため自分ですることも可能です。
専門家に相続手続きを依頼した方が良いケース
専門家に相続手続きを依頼した方が良いケースとしては、主に以下の場合です。
- 兄弟姉妹の相続・代襲相続の発生
- 相続人同士の仲が悪い
- 相続登記をする時間が取れない
- 特殊な遺産分割
このような場合は、手続きが複雑になるため、専門的な知識のない方が手続きをすると、かなりの労力と時間を要することになります。
始めた直後から挫折してしまうこともあるでしょう。それぞれのケースについて、なぜ自分ではできないのか解説します。
兄弟姉妹の相続・代襲相続の発生
兄弟姉妹の相続や代襲相続が発生する場合、収集しなければならない書類の数が多くなります。
たとえば、兄弟姉妹の相続の場合には以下の書類が必要です。
- 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍
- 相続人の現在戸籍
- 被相続人の親や祖父母の死亡がわかる戸籍
場合によっては複数の役所に出向かなければならない可能性もあり、手間と時間がかかるうえ、知識不足で手続きを進められなくなってしまうこともあるでしょう。手続きの手順が合っているのか、正しいのか不安になる場合には、専門知識の豊富な専門家に依頼するのがベストです。
相続人同士の仲が悪い
相続人同士が不仲だと、協力し合うこともできず必要書類の収集に時間がかかってしまうこともあります。
複数人いる相続人がそれぞれに非協力的であれば、遺産分割競技も進まず相続手続きが終わらないケースも珍しいことではありません。
相続人同士の仲が悪い場合は、第三者である専門家が仲介人になることで相続手続きを進めることができます。
相続登記をする時間がとれない
不動産を相続し、売却をする場合は相続人の名義に変更する必要があります。
また、相続登記を行わなければ、不動産会社から催促されるケースもあるため、やはりできるだけ迅速に対応しなければなりません。
とはいえ、仕事などで日々忙しくしていれば手続きの時間がとれない人も多くいます。
そういった場合も、専門家に依頼して早めに対応しておくと安心です。
特殊な遺産分割
特殊な遺産分割をする場合にも、やはり専門的な知識が必要となります。
たとえば、相続財産が不動産だけだった場合、以下のケースも出てきます。
- 不動産を相続した人が他の相続人にお金を支払う【代償分割】
- 不動産を売った時のお金を分け合う【換価分割】
仮にこれらを遺産分割協議書で記載する際に間違えてしまった場合、贈与税が発生することもあります。
このようなリスクを減らすためにも、知識を持つ専門家に依頼する方が確実です。
相続手続きは状況次第で自分でできる。困ったら専門家へ
相続手続きは、相続人の数や相続の種類によっては自分でできるケースもあります。しかし、ほとんどの場合は多くの書類が必要となり、複雑な手続きになることが多いです。自分でできるかもしれないと、調べながら進めるのは時間と労力がかかりますし、間違いがあれば贈与税などの支払いをしなければならないリスクもあります。
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大倉公認会計士税理士事務所所長
大学卒業後8年9ヶ月にわたり銀行に勤務。大学院修了後、公認会計士の資格取得。
会計サービス等を提供するほか、元銀行員ならではの視点で相続税をサポート。
「お客様に寄り添う親身なサポート」をモットーとする。