相続にまつわる「時効」とは?時効のある手続きを紹介

こんにちは。

江東区・相続申告コンシェルジュ

大倉公認会計士税理士事務所の大倉です。

「時効」というと、刑事事件などを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

相続手続きにも民法上で定められた「時効」が存在します。

今回は、相続手続きにまつわる時効について紹介しましょう。

相続手続きの「時効」とは

相続手続では、民法上で以下の「時効」が定められています。

  • 消滅時効
  • 取得時効

刑事事件とは異なる意味を持つ時効、それぞれについて解説します。

■消滅時効

消滅時効とは、権利を行使しない期間が継続されることで、その効力がなくなる期限のことです。

時効期間が過ぎると、権利を行使することができなくなります。

たとえば、お金を貸した人に対して、返済期限が過ぎても返済されず、そのまま返済を求めることもしなければ、お金を返してもらう権利が消滅することがあるのです。

このように、ある事柄に対して、一定期間その権利を行使しないままでいると、その権利は時効とともに消滅することになります。

■取得時効

取得時効とは、長期間にわたって他人のものを占有した場合に、取得する権利を認めることです。

たとえば、土地の境界線が曖昧で、他人の土地だと知らずに自分の土地だと信じて使用し続けていると、その土地の権利を取得できるようになります。

 

取得時効は、法律上以下の要件に該当していなければなりません。

  1. 所有の意思があること
  2. 平穏かつ公然の占有であること
  3. 他人の物を一定期間(原則20年)占有していること
  4. 時効の成立を主張すること

 

自分の物として使っていたかどうかが判断するうえで大きな基準となります。

遺産相続において時効のある手続き

遺産相続で時効のある手続きは主に以下の6つです。

  1. 相続放棄
  2. 遺留分侵害額請求権
  3. 相続回復請求権
  4. 相続税申告
  5. 生前贈与にかかる贈与税申告
  6. 債権

それぞれの権利と時効について解説します。

1.相続放棄

相続放棄とは、その名の通り全ての遺産相続を放棄することです。

遺産相続には、プラスの遺産だけでなく、借金などといったマイナスの遺産もあります。

マイナスの遺産のみを放棄することはできないため、プラスの遺産を含めてもマイナスとなってしまう場合などに「相続放棄」の選択をすることができるのです。

相続放棄の時効・期限は、相続開始を知ってから3ヶ月と定められています。

この期間を過ぎてしまうと家庭裁判所に申述できなくなり、相続放棄もできなくなるので注意が必要です。

2.遺留分侵害額請求権

遺留分侵害額請求権とは、被相続人の贈与や遺言などによって、遺留分(最低限の取得割合)を侵害された相続人が、遺留分を金銭で支払うように求める権利です。

この権利は配偶者や子どもなどの法定相続人に該当します。

遺留分侵害額請求権の時効は、相続開始と遺留分侵害を知ってから1年です。

ただし、遺留分が侵害されていることを知らなかった場合は10年と定められています。

3.相続回復請求権

相続回復請求権とは、自称相続人とする人に対し、本来の相続人が遺産を正当に取り戻す権利のことです。

相続回復請求権の時効は5年ですが、相続権の侵害を知らなかった場合は20年となります。

4.相続税申告

相続税の申告は、被相続人が亡くなってから10ヶ月以内にする必要があります。

相続税は、一定額以上の遺産を相続する際にかかる税金のことです。

また、相続税申告に誤りや申告漏れがあった場合、申告・納税期限から5年の間で、追徴課税・附帯税などのペナルティを受けることになります。

5.生前贈与にかかる贈与税申告

生前贈与にかかる贈与税申告は6年となっています。

贈与税は、年間110万円以上の財産をもらったときにかかる税金のことです。

相続税申告と同様に、誤りや申告漏れがあった場合、申告・納税期限から6年の間で、追徴課税・附帯税などのペナルティを受けることになります。

なお、申告義務があると知りながらも申告しなかったなど、悪意が認められた場合は7年まで延長されます。

6.債権

債権とは、ある特定の人に対して、一定の行為をするように要求(請求)できる権利です。

相続財産のひとつに債権も含まれており、債権を相続した人は、引き続き債権の権利を行使できます。

債権の消滅時効は、権利の行使を知ったときから5年、権利を行使できるときから10年です。

相続手続きは時効や期限に関わらず、早めに行おう

相続手続きにはさまざまな手続きがあり、それぞれに時効や期限が設けられています。

時効や期限に気が付いて、焦って行うと誤りや申告漏れの原因となるため、相続手続きはできるだけ早めに行うのがいいでしょう。

 

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