相続税の非課税枠とは?対象となる財産と限度額について解説
こんにちは。
江東区・相続申告コンシェルジュ
大倉公認会計士税理士事務所の大倉です。
相続や贈与で取得した財産にはそれぞれ相続税・贈与税がかかります。
しかし、中には相続税がかからない非課税枠があるのをご存じでしょうか。
相続税は、できるだけ非課税枠を利用して節税に繋げましょう。
今回はそんな相続税の非課税枠と、非課税の対象となる財産について解説します。
相続税の非課税枠とは
相続財産にかかる相続税ですが、全ての財産から無条件にかかるものではありません。
相続人の生活を守るために、非課税枠(税額控除)を設けています。
なお、相続税は、課税価格が基礎控除額を超えたら発生します。
基礎控額は【3,000万円+(600万円×法定相続人の数)】の計算式に基づいて算出し、その額を上回らない場合には相続税がかかりません。
非課税となる相続財産
相続財産には、相続税の対象とならない非課税のものもあります。
相続税が非課税となる財産は以下の通りです。
心身障害者受給金 | 心身障害者扶養共済制度に基づいた、給付金の受給権 |
生命保険(みなし財産) | 相続人が取得した生命保険金の中から「500万円×法定相続人の人数」の金額 |
死亡退職金(みなし財産) | 相続人が取得した死亡保険金の中から「500万円×法定相続人の人数」の金額 |
国や地方公共団体等に寄付した財産 | 国や地方公共団体、認定NPO法人などに対し、相続税の申告期限までに寄付した財産 |
公益事業用財産 | 宗教・慈善・学術などといった「公益目的の事業を行う者が取得した財産」であり、公益を目的とする事業への財産 |
祭祀財産 | 主に墓地墓石・仏壇仏具・祭具など (※趣味や投資による仏像などは対象外) |
なお、生命保険や死亡退職金については「みなし財産」とされており、被相続人の死後に受け取ります。
みなし財産は、残された遺族の大切な生活資金となることが多いため、生計を守るために非課税枠として設けられているのです。
その他、特例の主な相続税非課税枠
相続税の非課税枠は、相続人などの状況に対応するさまざまな特例が設けられています。
もし、該当する特例があるのであれば積極的に利用して、相続税の節税に取り組みましょう。
ここでは、よく適用される主な相続税の非課税枠を紹介します。
1.配偶者控除
配偶者控除は、以下の条件に該当すれば適用されます。
- 法律上の婚姻関係にある配偶者であること
- 税務署に相続税の申告をすること
相続税の非課税分は、配偶者が相続した課税価額が【1億6000万円】または【配偶者の法定相続分】のいずれか多い方の金額までとなります。
配偶者の定義として、婚姻関係のある妻となり、内縁の妻や元妻は控除対象外です。
また、税務署へ相続税の申告をする必要があります。
もし、配偶者控除を利用して相続税が0円であったとしても、必ず申告するようにしましょう。
2.未成年者控除
未成年者控除は、以下の条件に該当する場合に適用されます。
- 法定相続人であること
- 20歳未満であること
- 財産取得時、日本国内に住所があること
未成年者控除は【10万円×(20歳ー未成年者の年齢)=控除額】という計算式で算出できます。
しかし、未成年者控除額が相続税額を上回った場合、控除しきれなかった額を扶養義務者の相続税額から差し引くことも可能です。
3.障がい者控除
障がい者控除は、以下の条件に該当する場合に適用されます。
- 法定相続人であること
- 障がいを持ち、85歳未満であること
- 財産取得時、日本国内に住所があること
障害者控除は一般障がい者と特別障がい者の2種類があり、それぞれで控除される金額も違います。
計算式としては以下の通りです。
- 一般障がい者:10万円×(85歳ー障がい者の方の年齢)=控除額
- 特別障がい者:20万円×(85歳ー障がい者の方の年齢)=控除額
85歳未満の障がい者の方が、仮に相続放棄をしている場合でも、生命保険金は受け取れるため、その受け取った生命保険金に対して障がい者控除を利用することが可能です。
土地の相続にも非課税枠がある
土地を相続する場合、非課税枠が優遇される小規模宅地等の特例があります。
被相続人が住んでいた家や所有している土地などのうち、一定の面積まで最大で80%まで減額されるものです。
この特例は少し特殊で、土地を誰が相続したのかがポイントになります。
適用条件はそれぞれ複雑になっているため、専門家に相談するのがおすすめです。
相続税の非課税枠はケースによって異なる
相続開始で最も大変なのが相続税の申告ではないでしょうか。
相続税の申告は10ヶ月といった期限があり、財産の評価や利用できる控除など、さまざまな場面や要素で手続きが複雑になってしまいます。
現状に適した特例を利用して正しく相続税を節税するためにも、専門家に依頼するのが安心です。
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大倉公認会計士税理士事務所所長
大学卒業後8年9ヶ月にわたり銀行に勤務。大学院修了後、公認会計士の資格取得。
会計サービス等を提供するほか、元銀行員ならではの視点で相続税をサポート。
「お客様に寄り添う親身なサポート」をモットーとする。