親と疎遠でも相続人になる?連絡が取れない家族への対応法を徹底解説

「長年親と疎遠にしているから、自分には相続は関係ない」と思う方は少なくありません。

しかし、法律上の親子関係がある限り、相続が発生すると相続人としての権利と義務を持つことになります。

さらに相続手続きは、相続人全員の参加が必要であるため、連絡が取れない家族がいるとスムーズに進まないのが実情です。 

 

本記事では、疎遠な家族が相続人となった場合の法的ルール、連絡方法、相続放棄や家庭裁判所を利用する際の制度など、実務に役立つ対応策を解説します。 

 

疎遠でも相続人になるのか?法的な基本ルール

民法で定められた法定相続人は次の通りです。 

  • 配偶者:常に相続人となる 
  • 1順位:子(実子・養子を含む) 
  • 2順位:直系尊属(父母・祖父母など) 
  • 3順位:兄弟姉妹 

疎遠かどうかは無関係で、法律上の親族であれば相続権が発生します。たとえば、何十年も連絡を取っていない父親が亡くなったとしても、その子どもは相続人です。 

 

また、養子縁組の種類によって関係は異なります。普通養子縁組であれば実親・養親両方の相続権がありますが、特別養子縁組の場合は実親との関係が終了し、養親とのみ相続関係が残ります。さらに、認知を受けた非嫡出子も嫡出子と同等の相続権を持ちます。 

 

連絡が取れない家族が相続人にいる場合の問題点

遺産分割協議は相続人全員で合意しなければ成立しません。誰か1人でも署名・押印を欠くと、不動産の名義変更や預金の払い戻しなどはできません。 

ただし、20197月の民法改正により「遺産分割前の相続預金の仮払い制度」が設けられました。各相続人は、預金口座ごとに「残高の3分の1 × 自身の法定相続分」の範囲で、1つの金融機関につき上限150万円まで単独で引き出せます。あくまで一時的な資金確保の制度であり、遺産分割が不要になるわけではありません。 

 

行方不明や音信不通の相続人がいると協議が進まず、結果として相続税の申告期限(相続開始から10か月)に間に合わない可能性があります。未分割のまま申告する方法はありますが、特例が使えないため、税額が増える・延滞税がかかるといったリスクが生じます。 

 

疎遠な家族への連絡手段と実務対応

疎遠な家族に連絡を取るためには、居所の確認が第一歩です。 

  • 戸籍の附票の写しを取得:住所の履歴を確認でき、現住所をたどる手がかりになります。 
  • 住民票:現在の住民登録地を把握できる。 
  • 専門家の協力:弁護士や司法書士を通じて連絡をとると、相手が応じやすいこともあります。 
  • 内容証明郵便:送付した事実と内容を公的に証明できる手段。ただし、受領や同意を証明するものではない点に注意が必要です。 

自分での調査に限界を感じた場合は、専門家へ依頼するのが現実的です。 

 

相続放棄や限定承認の通知をどうするか

相続はプラスの財産だけでなく借金も引き継ぎます。そのため、疎遠な相続人が「相続放棄」をすることもあります。 

 

相続放棄は家庭裁判所に申述して初めて効力が生じます。口頭や書面の私的合意だけでは無効です。相続放棄が認められると、その人は初めから相続人でなかったことになり、次順位の相続人に権利が移ります。 

家庭裁判所から「自動的に次順位相続人へ通知が届く制度」は基本的にありません。他の相続人の放棄の有無を確認したい場合は、家庭裁判所への照会手続などを通じて確認する必要があります。 

 

一方、限定承認は「相続財産の範囲内で負債を弁済する」条件で相続を引き受ける制度です。ただし、限定承認は相続人全員の合意が必要で、疎遠な相続人が協力しないと進められません。 

 

行方不明や音信不通の相続人への対応(家庭裁判所の活用)

どうしても相続人と連絡が取れない場合は、家庭裁判所を通じて解決する方法があります。 

 

  • 不在者財産管理人制度:行方不明の相続人の利益を守るため、裁判所が管理人を選任します。ただし、遺産分割協議に参加するには「権限外行為許可」の申し立てが必要です。 
  • 失踪宣告制度7年間生死不明の場合は裁判所が死亡とみなし、相続が開始されます。船舶事故や災害など危難に遭遇して1年以上消息不明の場合は、特別失踪として1年で死亡とみなされます。 
  • 遺産分割調停:家庭裁判所で調停を申し立て、調停委員を介して協議を行う制度。合意できなければ裁判官の審判によって解決されます。 

 

これらを活用することで、音信不通の相続人がいても相続を進められます。 

 

専門家に相談すべき場面

相続人調査や家庭裁判所の手続き、税務申告などは複雑で期限も厳しいため、専門家に相談するメリットは大きいです。 

 

  • 相続人の居所調査や戸籍収集を自力で進められないとき 
  • 相続放棄・限定承認の判断に迷うとき 
  • 不在者財産管理人の選任や調停の申立てが必要なとき 
  • 財産評価や相続税申告を含めて一括して進めたいとき 

 

弁護士・司法書士・税理士が連携して対応する事務所もあるため、早めに専門家に相談することでトラブルを最小限にできます。 

 

まとめ

親や兄弟姉妹と疎遠であっても、法律上の親族である限り相続人になるのが原則です。

連絡が取れない相続人がいると手続きが停滞しますが、戸籍の附票で住所を調べ、内容証明郵便や代理人を通じた連絡を試みることが可能です。 

どうしても解決しない場合は、不在者財産管理人や失踪宣告、調停など家庭裁判所の制度を利用することになります。 

 

相続は「期限との戦い」でもあり、相続放棄は3か月以内、相続税の申告は10か月以内と限られています。

門家のサポートを受けながら、確実に手続きを進めることが安心につながるでしょう。 

 

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