相続放棄とは?相続放棄をするメリットとデメリット

こんにちは。

江東区・相続申告コンシェルジュ

大倉公認会計士税理士事務所の大倉です。

 

相続は、全ての財産を承継することであり、それはプラスの財産だけでなく、マイナスの財産も継承するということ。

場合によっては「相続放棄」を選択すべきかもしれません。

今回は、相続放棄のメリットやデメリット、注意点などについて解説しましょう。

 

相続放棄とは?

相続放棄とは、言葉の通り「亡くなった方(被相続人)の財産を一切相続しないこと」です。

 

相続には、以下3つの選択肢があります。

  • 単純承認(全ての財産を承継すること)
  • 限定承認(プラスの範囲内でマイナスの財産を継承すること)
  • 相続放棄

 

一般的に、マイナスの財産があった場合、プラスの範囲内で相続できるものであれば「限定承認」という形をとりますが、明らかにマイナスの財産が多い場合は「相続放棄」を選択するケースが多いでしょう。

 

相続放棄をするメリット・デメリット

相続放棄には「マイナスの財産を継承しなくていい」という面だけ見ると、メリットが大きいように感じるでしょう。

相続放棄をすれば、良くも悪くも初めから相続人ではなかったことになります。

相続放棄をした場合のメリット・デメリットについて解説します。

 

■メリット

相続放棄は、他の相続人と関わることなく、一人で手続きを進められます。

相続人は一人ではないケースが多く、中には連絡をとりたくない・とれない人もいるかもしれません。

相続放棄をすれば、他の相続人と話し合う必要がないため、余計な揉め事などに巻き込まれることもないでしょう。

 

■デメリット

通常、相続放棄が承認されれば撤回することはできません。

もし後からプラスの財産があるとわかっても、一切の相続が不可となります。

 

そのため、当然ながら「代襲相続」もできません。

代襲相続とは、亡くなった方(被相続人)の本来相続人となる人が亡くなっていた場合、本来相続人の子どもなどが代わって相続をする制度です。

 

そもそも、相続放棄をした場合、相続人として検討されなくなることを覚えておきましょう。

 

また、マイナスの財産がある場合、相続放棄をすると他の相続人に相続権が移ることになります。

そのため、他の相続人に負担を強いることになるかもしれません。

トラブルを防ぐためには相続放棄をする前に、一度相談しておくのがいいでしょう。

 

相続人全員が相続放棄した場合

本来、相続放棄すればその権利は他の相続人に移っていきますが、相続人全てが相続放棄を選択する可能性もあります。

 

もし、全ての相続人が相続放棄した場合、債権者の権利は国庫に帰属されます。つまり、残った財産は国のものです。

この場合は、家庭裁判所が選任した相続財産管理人が相続財産を処分・清算する必要があります。

 

しかし、家庭裁判所が相続財産管理人を選任するまでの間、相続人となる人が相続財産を管理しなければなりません。

そのため、マイナスの財産が多かった場合、相続人全員で相続放棄をしなければならないケースもあるでしょう。

 

相続放棄の判断は慎重に行いましょう

相続放棄は、亡くなった方の財産を可能な限り正しく把握できなければ判断ができません。

特にマイナスの財産には、税金の未払いや保証債務などもあるため、家族が気付かないケースもあります。

承認後、もしマイナスの財産が判明した場合は返済義務を負うことになります。

そうならないためにも、生前から財産管理について把握しておきましょう。

 

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