相続手続きの期限を過ぎたらどうなる?ペナルティはある?【専門家解説】
こんにちは。
江東区・相続申告コンシェルジュ
大倉公認会計士税理士事務所の大倉です。
相続手続きには期限があるものもあります。
期限が決められている相続手続きは、期限を過ぎてしまうと、さまざまなペナルティを課せられてしまう可能性も。
今回は、相続手続きの期限を過ぎたらどうなるのか、デメリットについて紹介していきましょう。
↓ 相続手続きの期限についてはこちら
【相続手続き】期限を過ぎた場合のデメリット
相続手続きの期限を過ぎた場合に起こりうるデメリットは以下の通り。
- 借金を抱える可能性がある
- 税金の支払いが増える
- 過料を支払わなければならない
- 相続税の軽減措置を利用できない
期限内に相続手続きを行わなければ「刑罰や罰則を与えられる」といったことはありませんが、期限を過ぎてしまうと必要以上の支払いを課せられてしまう可能性があります。
また、後々の手続きも複雑化するため、相続手続きは期限内に行うようにしましょう。
では、期限を過ぎてしまった場合のデメリットについて、以下で解説します。
1.借金を抱える可能性がある
相続には、「単純承認」「相続放棄」「限定承認」の3つの方法があります。
単純承認…すべての財産(遺産)を相続する。
相続放棄…すべての財産(遺産)を相続しない。
限定承認…資産の範囲内で負の財産を負い、残りの分を相続する。
相続方法は3ヶ月以内に決める必要があるのですが、手続きをしなければ自動的に「単純承認」となります。
もし被相続人の借金(負の財産)がプラスの財産よりも多かった場合は、相続人が借金を抱えてしまうことになるのです。
2.税金の支払いが増える
相続税の申告・納付の期限を過ぎてしまうと、相続税を納税する際に「延滞税」が加算されてしまいます。
相続税の延滞税は、納期限の翌日から2ヶ月を過ぎるまでは「年2.4%」、2ヶ月以降は「年8.7%」と定められています。(令和5年1月1日~12月31日時点:国税庁HP)
手続きの期限を過ぎてしまうと、相続税の額に対して年率で加算されていくため、遅れるほど納税額が増えていくのです。
3.過料を支払わなければならない
2024年4月1日以降、期限内に行わなければ過料を支払わなければならない手続きがあります。
それは「相続登記」です。
相続によって取得した不動産は、3年以内に登記申請(名義変更)しなければ10万円以下の過料の対象となることが決まりました。
所有者が分からない土地が増えると、都市開発も進まないことから、今後相続登記においては「義務化」されることとなったのです。
そのため、相続した不動産がある場合は、3年以内に相続登記を行わなければ、過料を科せられる可能性があることも知っておきましょう。
4.相続税の軽減措置を利用できない
相続手続きを期限内に行わなければ、軽減措置の利用ができない可能性があります。
相続税は、特例を適用すれば納税金額を減額できる軽減措置があるのですが、適用するには期限までに手続きをしていることが条件になります。
一般に、よく利用されている軽減措置は以下の通り。
- 配偶者の税額軽減
- 未成年者控除
- 障害者控除
- 相次相続控除
- 贈与税額控除
これらは相続税から差し引けます。
期限内に手続きを行うことは、節税対策にもなるのです。
相続手続きは期限を守って行おう
相続手続きは期限を守って行えば、プラスの財産だけを相続できたり節税できたりするメリットがあります。
期限を守らず、放置している場合、刑罰はないものの、無駄な支払いをしなければならない可能性があるのです。
とはいえ、複雑な相続手続きは時間がかかってしまうケースもあるでしょう。
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大倉公認会計士税理士事務所所長
大学卒業後8年9ヶ月にわたり銀行に勤務。大学院修了後、公認会計士の資格取得。
会計サービス等を提供するほか、元銀行員ならではの視点で相続税をサポート。
「お客様に寄り添う親身なサポート」をモットーとする。